102少女ポリアンナ

少女ポリアンナ (岩波少年文庫)

少女ポリアンナ (岩波少年文庫)

 少女小説の主人公って、何でこんなにおしゃべりなんでしょう…。
 ポリアンナの「ゲーム」は、確かに余計なお世話なのですが、では現実の暗い面ばかりを見て物事を悲観したままうずくまって暮らしていくのがいいかというとそんなことは全くないわけです。なので、ポリアンナはあまり好きな子ではありませんが、考え方には賛成ですね。でも松葉杖をもらったからといって、「私には松葉杖は必要でないから」よかった、というのはかなり微妙な考え方だなあ。自分よりもっと悪い人もいる、と考えることで慰められるのは一面の真実ですが、それってあまり表に出さない方がいいような考え方では。
 ポリアンナが事故にあったとき、おおっと思いましたが、あっさり治っちゃいましたね! 治らなければ、もっと深い物語になったのにと残念でした。
 それと、ポリアンナの治療と、ポリーおばさんとの仲直りがチルトン先生の中で同一視されてるのにも納得がいかーん。そこは、私と仲直りしてくれなくてもいいから、ポリアンナを見せてくださいというべきでしょう、チルトン先生!