世界の花と草木の民話

世界の花と草木の民話

世界の花と草木の民話

 聞き慣れた民話というのは、ずいぶん形を整えてあるんだなと気がついた。聞き取りをした生のままに近い民話は、途中で登場人物が消えていたり、前後の話に矛盾があったりして、オチがつかないことも多い。
 豊かな乳房を持つ牛のデイジーとデイジーを守る妖精たちの様子が微笑ましい「四つ葉のクローバーと妖精たち(イギリス)」、兄弟仲良くと花をくれる「緑のおばあさん(ドイツ)」は、アトリーの童話のような愛らしくももの悲しいお話でよかった。