画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル展 三菱一号館美術館 2015年6月27日(土)〜9月6日(日)


9歳で生首を写生したとか、狂斎と称したりとか、偏狭な性格というイメージでしたが、作品を見ると、いわゆる人格者というのではなかったかもしれませんが、人間味のある人柄の温かさが感じられました。
弟子であったコンドル英国人のコンドルとの交流もほほえましいものです。
また、舞をたしなんでいた暁斎は、同じく芸事が好きだった師匠の祖母から稽古代を出してもらっていたそうですが、彼女がなくなった時に、墓前で舞ったというエピソードからも、人柄がしのばれます。

こんな風に感じたのは、作品の中にほっとするような「可愛い」絵がいくつもあったからです。
 毛並みがふわっふわ「うずくまる猿図」
 しゃがみ込んで金魚鉢をのぞき込む子どもたちとその後ろで 逃げ出そうとしている亀がほほえましい「金魚と遊ぶ小童図」
 精一杯背伸びをして虫取り網を伸ばす「布袋の蝉採り図」
 毛の一本まで描き込まれて、撫でた時の手触りまで想像できる「眠り猫」
 絵日記に押してあったハンコが、妖怪の絵でたいへん可愛いかったです、欲しい。