銀河英雄伝説@TAKARAZUKA

観ました(笑)。
ラインハルト様のマントさばきは天下一ィィィ! でした。
以下、些少ですが腐穏当な発言およびネタバレを含むので、隠します。


アスターテ会戦からリップシュタット戦役までが、3時間のミュージカルになったんだよ、と20年前の自分に教えてあげたい。絶対信じないだろうから。
ラインハルトの物語として、キルヒアイスとの友情の顛末を描き、ヒルダとのロマンスを絡めて、ものすごい力技ながら、きちんとまとめてあげてありました。ややこしい背景の解説を、フェザーンルビンスキーとドミニクにさせていたのも、うまかった。
見る前は、どうせ帝国中心でしょ、自由惑星同盟側は刺身のツマなんでしょ、と思っていましたが、意外と同盟側もちゃんと描かれていました。ヨブ・トリューニヒトの演説ミュージカルまであった! さすがに、2幕目からは、かなり省略されていましたが…どう考えても、絵面が圧倒的に地味すぎるので、仕方がありませんね…。


キャラクターは、ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフとヤン提督がかなり変わっています。
ヤン提督が、憂国騎士団からジェシカ・エドワーズを肉弾戦で守ったのにはびっくり。アッテンボローが助けに出てくるんだとばっかり思ってたのに。しかしさすがに、ここでボコボコにされちゃったら、主人公ラインハルトのライバルキャラとしてヘタレすぎるもんな…。本来のヤン提督の魅力は、短い時間じゃ表現できないものなんだ、うんうん。
ヒルデガルドも、本来の性格のままでは、ラインハルトとロマンスにならないので、当初はドレスをまとった貴族のご令嬢として登場します。愛する男性のために、髪を切って男装をする、というシチュエーションは、宝塚的空間においては、ロマンティックでよかったですね。


そして、当方、銀英伝における一番の贔屓キャラはビッテンフェルト提督なのですが、コミックリリーフとして、大変おいしい立場でした。アムリッツァ会戦後にもラインハルトにすごい怒られてて、双璧よりよほど目立ってた、やったー。双璧は、ほとんどモブ・キャラクターで、オフレッサーのほうがよほど尺が長かったです…。


しかし、そのビッテンフェルトよりも、さらにいいとこ取りをしていたのがオーベルシュタイン。パンフレットでも、キルヒアイスを差し置いて、3番目に(1,2番目はもちろん主役のラインハルトとヒロインのヒルデガルド)紹介されていました。もしかして、男役のナンバー2なのかな? 
男装のヒルデガルドにたじろいだり、チェス(三次元じゃない)でヒルデガルドに負けたりしていて、ビッテンフェルトより観客の笑いを取る男(?)でした。宝塚銀英伝において、オーベルシュタインにとってのヒルデガルドは、百鬼夜行抄赤間にとっての司ちゃんみたいなポジションでしたね。ヒルダちゃん強い―。ラインハルトの押しかけ参謀としては、押しかけ秘書官(ヒルデガルド)をライバル視せざるを得ない、ということか。
あと、義眼が会戦中のレーザービーム並にビカーッと光っていました。あなたがその義眼でアンスバッハをやっつければキルヒアイスは死ななくてよかったんじゃないの? というくらい、武器的な何かだった…。


最後のレビューでは、ものすごい盛り盛りの羽を背負ったラインハルト様が大階段から降りてきて、みんなでお歌を歌って華やかに閉幕しました。お、お、面白かった…。
平日だというのに、大劇場は満席でした。「今日は腰の具合もいいし、宝塚でも見に行こうかのう、ばあさんや」「そうですねえ、おじいさん」みたいな年配のご夫婦も見に来ていましたよ。うーん、あの中の何割が銀英伝ファンだったのかなあ。