大阪〜熊本〜人吉〜吉松

06:00新大阪駅発 みずほ601号 鹿児島中央行\18,320
  
かものはし系のお顔が可愛い「みずほ」。内装がシックでひじ掛けや机などが木でできていてすべすべです。なんと熊本まで乗り換えなしで3時間!
09:00熊本駅
ここで「人吉・球磨のんびり切符」を購入。熊本から人吉までの在来線と、肥薩線球泉洞〜吉松」、くま川鉄道の「人吉〜湯前」のフリー切符です。\4,500
09:44熊本駅発 SL人吉 人吉行800円
  
ぽっぽー、という懐かしの…とはいっても実際に聞くのは初めての音とともにSLが出発。内装は一新されていて、レトロかつシックな素敵空間になっています。
一番驚いたのは、トンネルの中が真っ暗になること。最初はトンネル内に灯りがないせいだと思ってましたが、車内には電燈が付いているのだから、その光が洩れるはず。これは、文字通り「墨を流して」走っているからなんですね。トンネルを抜けた後振り返ると、トンネルの穴から黒煙がもうもうと噴き出していました。
JR九州には、レール・レディという客室乗務員がいて、記念写真や車窓の説明、車内販売などいろいろなサービスをしてくれる。どんな客にも優しい笑顔で親切に接してくれて、そのプロフェッショナルに感動しました。SLに夢中な親たちにほっとかれて退屈している子どもがいたら、車内にあるSL文庫の絵本を読んであげたりもします。もうこれ、サービスにしちゃって、SL内でレール・レディによる読み聞かせ会を開けばいいのに。
12:13人吉着

次のいさぶろう・しんぺい号を構内で1時間ほど待ちます。今日は1日電車の旅なので、ちょっとストレッチなど…。
13:21人吉発 いさぶろう号 吉松行
  
赤い車体がキュートな観光列車。この列車の内装もすごくかっこいい。

大畑(おこば)駅は、アニメ「夏目友人帳」のロケ地の一つとされていて、駅舎が登場するそうですが、実際には、駅には名刺を貼ると出世すると言われているらしく、何かの呪いか!? というくらいたくさんのお札…もとい名札が貼られていて、すごいことになってました。沿線の駅舎はどれも木造で趣のある建物なので、名刺がない分、矢岳駅や真幸駅の方がイメージに近かったですね。矢岳駅周辺は、山の中なので、野性動物も時々見られるらしく、本当に子狐が出てきそうでした。
あと、何回説明を聞いても理解できなかったスイッチバックがやっと体験できました。わかったー!
  
子狐がひょっこり顔を出しそうな鳥居。大畑駅にて。
 
「停止」「止れ見よ」と書いてあった大畑駅の階段。

この日はきれいに晴れて、遠くに桜島が見えました。レール・レディの説明によると、桜島が見えるのは、本当にラッキーなんだとか。

「友人帳」に出てきそうな風景。

ずっと、子狐がいるような山に行く電車があって、大きな川が流れていて、でもケーキ屋が何軒もあるような町が近いという「友人帳」の風景がよく分からなかったんですが、この景色の中を走ってみて、なるほどなーと納得しました。
14:47吉松着
15:16吉松発 しんぺい号 人吉行
同じ電車ですが、人吉行は「しんぺい」号。行きは、写真を撮ったり車内を見学したりするのでそわそわしていたので、帰りにやっと落ち着いて列車の旅を楽しむことができました。往復乗るなんて、鉄道オタクみたい…と思っていたのですが、他にも何組もいたので、なんとなく、ほっとしました。吉松から鹿児島中央まで行く「はやとの風」にも乗ってみたかったな…。
16:35人吉着
乗りっぱなしというわけではないけれど、朝の6時から夕方4時半までとにかく電車に乗る旅でした。JR九州では、沿線にいる人と、電車に乗っている人たちとが手を振り合いましょうという「手をふれーる」運動というのをやっていて、行く先々で笑顔で手を振ってくれる人々がいました。肥薩線沿いに、車を何台も連ねて追いかけてくる熱心な応援隊もいて、南国というだけでなく、九州ってなんだかあったかい…。

そして、やはりというか朝はパン、昼は鮎ずしだけでなく、なんだかんだと食べていたので、夕ご飯はもういらないやという気分に。
お宿は、田んぼの真ん中にあって、トンボが飛び交っていました。小川がすぐ側に流れていて、そこにオハグロトンボが群れています。人の呼吸の速さで漆黒の羽を開いたり閉じたりするトンボの群れは、なかなか幻想的でありました。