かなざわ映画の会&怪談ノ宴2010 in金沢

小池壮彦怪奇映像講義  聞き手:東雅夫 金沢21世紀美術館シアター21
怪談鼎談 中山市朗×福澤徹三×東雅夫 金沢21世紀美術館シアター21
怪談ノ宴2010 in金沢 長久寺
日のあるうちに会場の下見に行ったら、ずいぶん寂しい坂の上で、真夜中に歩いていくのは絶対イヤ! と思ったので、怪談鼎談終了後、金沢21世紀美術館から出てきて、怪談ノ宴に向かいそうな人をナンパして御一緒させてもらいました。その節は感謝でございます…。
第1部は、波津彬子京極夏彦東雅夫による金沢の怪談。その後の混迷ぶりを思えば、最も正統派の怪談会でした(笑)。波津さんは、ご自身の怪談は少ないものの、お母様からたくさんの怖い話を聞いたようで、それらを披露してくださいました。金沢ある猿間大夫神社という丑の刻参りで有名な神社があるが、母親の友達の父の小さい頃、家のトイレから丑の刻参りを見たという話を聞いたことがある。とか、会場のすぐ下にあるW坂の幽霊伝説とか。W坂の幽霊は、だれも見たことはなくて、波津さんのお母さんのころから言い伝えのみが残っているんだとか。幽霊画の取材に行くなど、漫画を書く上での波津さんの仕事の仕方などもうかがえて、大変充実した時間でした。
どんな話題を振られても、ちゃんとポイントを突いた答えの出てくる京極夏彦は、金沢会談についてもきちんとコメントを返していました。『金沢のふしぎな話』は、出たときに引っかかっていたけれど、松谷みよ子「日本の伝説」にきのこになった蛇の話や、飴買い幽霊の初出が載っているとあって、これはぜひ読んでみたいと思いました。あと、平山夢明の無茶ぶりに、珍しくペースを崩していたのが、なんか可愛かったです。あのグダグダな話を、ちゃんと「怪談」という話題で落ちをつけた京極夏彦パネエ! 平山夢明は、語りと文章の差がほんとうにひどいなあ(誉めてます)。あまりに話がグロいので、年配の人はかなり引いていましたね。
「怪談仕事人」は、全力で作った文化祭の出し物的な映画でした。抱腹絶倒。もうこれを見られただけで、京都金沢往復分とチケットのもと取れました。EDクレジットの「歌 宮部みゆき」が一番受けてました。本編に出演していないと思ったら! あと、「エロい女医」の岩井志麻子は、ほんとにあれが素なのか……(怖)。