ゲゲゲの女房「妖怪はどこに消えた?」

 その「ちょっこし」Tシャツどこで売ってますか!?
2010/9/3放送TBS「ぴったんこカンカン」を見た人の2割くらいはこう思ったに違いない。先週、今週となんとな〜くチャンネルを回していたら、偶然、たまたま武良夫妻のツーショットにぶつかりました。私って鼻がきくなあ。

 ドラマが始まった頃、NHKで放屁の描写が! と驚かれていましたが、私はそれより今週黒い弾丸が登場したことの方に驚愕しました。NHK朝の連続ドラマ初登場じゃないのかな。

 「妖怪はいない」なのか「妖怪はもういない」なのか、どっちかなーと思いながら見ていました。「妖怪はいない」だと、過去の自分を含めたアイデンティティの崩壊、つまり、個としての自分自身の問題。「妖怪はもういない」だと、自分(妖怪)が必要とされていないというプライドの喪失、つまり社会のなかでの自分と他者の問題。ちょっとニュアンスが違うような気がしていましたが、ドラマではどうも「妖怪はもういない」の方に重心が置かれていました。学校という社会の中で疎外感を味わっている喜子のエピソードが並行して描かれていることでそう感じたのかもしれません。タイトルも「あったものがなくなった」っていう意味合いですしね。
原作本を読んだ時は、私は「妖怪はいない」という風に受け取ったので、こんなことが気になったのかもしれません。でも、どちらか一方だけというわけではなくて、戌井さんの訪問で明確になったように、かつては世間から見向きもされなくても書き続けていられた漫画家魂を見失っていることも事実。
自分自身を見失わないことと、自分が社会に受け入れられること、このふたつが両立して、人は幸せを感じるのだと思うのですが、いつでもだれでも両立できるとは限らない。それでも、自分自身さえ見失わなければ、なんとかやっていける…ということを戌井さんが教えてくれたような気がします。貧乏でも、漫画の出版はやめられない戌井さんの生き方は、水木しげるという成功者とはまた違った生き方を視聴者に示してくれる。だからこそ、こんなに人気があるんじゃないかなあ。
 側にあるものを探すイトツ、というのは身近にあるものを見失ってしまったという状況を暗示している…というのは深読みかな。

 すがちゃんもとうとう結婚かあ。まさか、すがちゃんだけがそのつもりなんじゃ…という考えがちらっと頭の隅をよぎりましたが、それはない。下手でも漫画が好き! という情熱を支えに15年間ずっと点々を打ち続けてきたすがちゃんに、幸せになってほしいと視聴者もたぶん脚本家さんも、心から思っているだろうから…。

 あと、前回次週予告について文句言ってすみませんでしたぁっ!