ゲゲゲの女房「ご縁の糸」

 「女は三界に家なし」ということわざを思い出した…。家族の誰も、布美絵を嫌っているわけではないのに、結婚せず、仕事に出ない女には居場所がない、といういたたまれなさ。それを悲壮な感じを出さずに、温かさとユーモアにくるんでうまく演出していた。
 「この見合いはええ」には、まーたお父さんの投機熱が出たよ、と正直思わなくもなかったけど、なんだかんだ言って、この人はけっこう先見の明があるんだよね。飯田家の女性陣には不評だけど、戦争中にはちみつ業やったり、戦後は酒屋に乗り換えたり、政治家になったりと、それぞれにちゃんと成功しているんだもん。見合い相手である村井茂の評価基準が「独立した男」であるという点もこのお父さんらしい。
 河原での「おかあさんっ」には、もちろん泣きました。