少年少女飛行倶楽部

少年少女飛行倶楽部
 まず、表紙がいい。装画を描いている丹地陽子さんの公式サイトを見ると、見たことのある表紙たくさん並んでいるけれど、どちらかというとふわっとした輪郭の少ない絵が多いように思う。私は、青と黄が印象的で、輪郭線のはっきりしたアニメ塗りのこの絵がすごく好き。
 つぎに、帯がいい。カミサマの書いた飛行クラブの活動内容を過不足なく要約していて、「どんな話だろう」と引きつけられる。ここでも、青と黄のコントラストが効果的に使われてます。この色のセンスがたまらなく好きだー。
 そして、中身もいい。これぞ青春小説だよ! 電車の中で読んでいたけれど、ニヨニヨが止まらなかったり、時々「ぐふっ」と噴き出したりして、大変挙動不審のヘンな人になってしまったにもかかわらず、最寄り駅についても読むのがやめられなくて、結局ホームで完読してしまったくらい面白かったです。主人公のくーちゃんがすっごくよい子で、早々に好きになっちゃいました。ボケ倒す周囲に突っ込みまくる言葉のセンスが素晴らしい。もちろん、くーちゃんから見たカミサマのふてぶてしさと可愛さもたまらないです。
 「空を飛ぶ」というので、SF的な方向に行くのかなと思っていましたが、意外と現実的な着地点を提示してきて、それがクライマックスでふわっと浮き上がったので、ぞくぞくしました。う〜ん、しっかし、るなるなが宇宙人だと思ってたんだけどなあー(←ほとんど終わり近くまで、真剣に誰かが宇宙人だと思っていました(笑))。