旅立つ船
そうそう、BB船の設定を読んで期待したのはこういうシチュエーションですよ!
ティアの魅力が冒頭に十二分に描かれているからこそ、殻人への移植がスムーズに納得できるのだと思います。ティアの病気の解明は続刊であるのかなあ。この一冊でも、もう大満足なのでそんなには気にならなかったのですが。
ヒュパティアという名前がギミックとしてうまく使われていると思いました。この名前、ティアにぴったりだし、エピソードととてもいいですね。あと、ちゃんと伏線をはってあった、ティアの最終決断ですが、それよりもテディ・ベアのシーンの方でぐっと来ました。少女漫画的乙女回路には、肉体的なふれあいよりもこういう精神的なシーンのエロティシズムの方が電流が流れやすいようで…。
『歌う船』よりも読みやすかったのですが、訳者が同じ人なので、これは、原文の違いと思っていいのかな。