レッドクリフPart1

 映画好きの友人の希望で字幕版の時間帯を調べていったのに、いきなり日本語が流れるから、本気で焦った。「三国志」初心者にも分かるように入れられた日本人用「これまでのあらすじ」と分かって、心底胸をなで下ろしました。それにしても、なんという親切設計…! しかも字幕だと、人物が登場するたびに名前と陣営が明記されるので、「三国志」から離れて久しい私でも、混乱することなく見られました。なんとい(略)
 キャラクターが立っていて、見せ場を心得た、一級のエンターテイメントでしたが、なんといっても、蜀の武将たちの三国無双な戦闘シーンが楽しくてたまりませんでした。蝶のように舞い、蜂のように刺す趙雲の華麗な剣技とか、群がる魏軍を素手でちぎっては投げちぎっては投げる張飛の豪腕とか、こういう映像が見たかったんだーと思わず拳を握ってしまいました。特に、張飛は、夏口で落ち延びてくるときに子どもを両肩に背負ってたり、意外と習字が上手だったりなど、演出が細かくてニコニコしました。あと、周瑜配架の元海賊のヒト(甘興)は一癖ありそうな雰囲気で、いい脇役だったと思います。老人に跪くシーンは、ベタだけど鳥肌たった。
 呉蜀の英雄の活躍するだけでなく、敵国の武将たちが一騎当千の英雄たちを前にきちんと反撃することで、パワーバランスを取るところがうまかったですね。「八卦の陣」は、なんか運動会のマスゲームみたいでしたが、面白かったです。本当にああいう陣形だったの…? 盾を反射させて目を眩ます策略で、「アルスラーン戦記」を思い出しました。この映画を見ると、初期の田中芳樹の主成分が「三国志」だと言うことがよく分かります。関羽の馬鹿強さはダリューンだった。
 軽音部の周瑜と飼育係の孔明は、うるわしい男の友情をねつえんしていました…ね…。周瑜小喬のラブシーンは、いらないとまでは言いませんが、もう少し短くてもいい。しかし、戦闘シーンが燃えたから無問題(まあいいや)。
 Part2を見る前に小説を読み返したい…。しかし、吉川英治版は長すぎるし、陳舜臣のは曹操サイドからだからあんまり復習にふさわしくないし、柴錬のがいいかなあ。北方さんのや宮城谷さんのを読んだことないので、この際そちらを読んでみるとか?