しゃばけ

 連続ドラマ枠でやるのだと思いこんでいたので、単発2時間物で見逃したと知ったときには、「ふんっ、きっとつまんなかったに違いないんだもんね!」と、お菓子を食べ損ねた子どものように自分に思いこませていましたが、実家の母が録画していました…ははうえさま、いつもありがとうございまする。
 結論。うわあ、よかった…。正直あんまり期待していなかったので、とても嬉しい。
もののけたちに違和感ないのがすばらしいです。家鳴りたちは、もっとたくさん出てきて欲しかったですが、あれだけのクォリティのCGなら、少数精鋭でも仕方がないか…エンディングでくるくるダンスするところは可愛かったなあ、もう。
佐助と仁吉の区別がついた!! 本編ではどうもピンとこなくて…という話を母にいたら、「ごついのが佐助で、男前なのが仁吉でしょ」と一蹴されました。えーわたしだけー? まあ、それはともかく、二人がちょうかっこよかった…! ミイラにびっくりする佐助とか、庇をぶちこわして若だんなを助けにいく佐助とか、直情径行で頼りになる兄貴分なのがかっこ可愛い感じでした。そんで、銀衣の名が出たときの仁吉の表情、あれだけで、もののけたちとの会話で出てきた佐助の想い人が誰だかわかるという演技のうまさ。冷静な智将タイプで、たった一人の想い人に誠を尽くすなんて、どんだけいいキャラなんですか。
若だんなも、いかにも病弱で頼りなくて、でも芯のしっかりしたところもあって…という原作の雰囲気が良く出てたと思います。かなりイメージ通り。栄吉さんとともに、将来に迷う当世風の若者っぽい頼りなげな演技でしたが、周囲のベテランさんたちに支えられて、のびのび演じていたのに好感が持てました。
そんで脚本もうまーい。ひとつひとつのエピソードを重ねながら、「あなたは、わたしの大切な宝物」というテーマを浮き彫りにしていく運びがすごく良かったです。本来なら別の短編である松之助さんの話が、無理なく本編に融合していました。おたえさんの松之助に対する複雑な心情が、真矢みきさんによって実に見事に表現されていたので、ラストシーンはぐっと来ました。
続編も楽しみですが、次は、いくつかの短編をつなげるようになるのでしょうか。脚本さんの腕の見せ所ですね。楽しみです!