クロニクル千古の闇3魂食らい

魂食らい (クロニクル千古の闇 3)

魂食らい (クロニクル千古の闇 3)

 父親と孤立して生きてきたトラクが、なんでも一人で解決しようとするのがじれったくてたまらない。レンのことは頼りにしているみたいなんだけど、素直じゃないし…。レンやウルフが、トラクを助けようと一生懸命なのがとても健気なので、肝心のトラク少年に、もっとしっかりして欲しいものだ。
 巻末にある、著者によるオオカミの解説は、それだけでワクワクしてしまう。ウルフはこれから精悍な若オオカミに成長していくんだろうけれど、今の子どもっぽい無邪気さなくなってしまうのは寂しいなあ。ウルフもトラクも、はぐれオオカミなので、今後お嫁さんはもらえるのかしら、など心配の種は尽きないけれど、できれば平凡な幸せを手に入れて欲しい。ただ、各巻のサブタイトルは、すべてひとつのものを指し示しているらしいので、4巻の「追放されしもの」という仮題はとても気がかりなのだった。