現代若者方言詩集

現代若者方言詩集―けっぱれ、ちゅら日本語

現代若者方言詩集―けっぱれ、ちゅら日本語

 詩は、人間の感覚を鋭く研ぎ澄ました部分を言葉にする芸術で、これは一部の「詩人」とよばれる人々にしか表現し得ないものだ。でも、詩がそれだけのものなら、普通の大学生から公募したこの詩集が、人を惹きつけるわけはない。取り上げられる題材が、手垢の付いた平凡ものだとしても、それをある「言葉」で表現することで、詩は生き生きと輝き出す。詩は一方で「言葉」を駆使する芸術でもあるからだ。
 「方言」という「言葉」によって、ある意味ありふれた感情の動きや日常が、はっとするほど詩的なものに変換される一瞬がある。詩と方言の面白さを再認識できた本だった。