ベルギー王立美術館展 国立国際美術館
フランドルって、ベルギーだったっけ。意外に思って調べてみると、フランドルっていうのは、オランダとベルギーとフランスをまたいだ地方のことらしい。「フランダースの犬」のFlandersは、フランス語のFlandreの英語読みだとか。ああ、それでルーベンスが出てくるのか。納得。
どの作品も暗い色調なのに、画面から感じるのは明るくのんきな雰囲気なのが不思議だった。以前ブラド美術館展で見たスペイン絵画は、ぎらぎらした色彩の中にねっとりした暗い情念を内包していたのだけれど、それとはずいぶん対照的だ。厳しい歴史のある地方だから、もう少し暗いイメージがあったので、意外だった。
フランドル絵画には民衆の風俗が克明に描かれるという特徴があるということだが、本当に「ちょっと入れて」とすっと画面にはいっていけそうな親しみを感じる。見ていると、人びとのざわめきが聞こえたり、農家の家畜の糞の匂いがしたりしそう。「地獄のアイアネス」という絵からは、地獄に堕ちた人びとの悲鳴、悪魔たちの叫び、炎の吹き上げる音が聞こえてきて、地獄の絵なのになんだかすごく楽しくなってしまった。