獣の奏者1、2

獣の奏者 I 闘蛇編

獣の奏者 I 闘蛇編

獣の奏者 II 王獣編

獣の奏者 II 王獣編

 物語はあらすじなんかじゃないんだなあ。驚愕の結末も必須じゃない。キャラクターだって類型的でもかまわない。ありきたりでつまんないと思う作品と、ありきたりなのが全然気にならない作品の違いっていったい何なんだろう。
 主役のエリンが、自分のやりたいように振る舞うのを、学舎長と一緒に呆れながらも羨望をこめて見守っていました。私には絶対できないことだけど、自分も…他人の身すら顧みず、己の信念の命じるままに道を貫き通す、その残酷な清々しさは、やはりまぶしい。
 エリンが終盤感じた絶望も、最後に見た希望もどちらも真実だと思いました。