水辺にて

水辺にて―on the water/off the water

水辺にて―on the water/off the water

 私がエッセイに望むのは、事象へのシャープな考察とユーモアのようです。その点、このエッセイはやや叙情に流れすぎと感じました。ダムやウォータージェット船への違和感を述べる一方で、電動キャリアや自家用車を用いてカヤックを楽しんでいることへの言及がないのは片手落ちのように思われます。どちらも同じ科学技術のたまもので、自家用車の排ガスや道路整備による環境破壊、電動キャリアを作るために使用される地球資源について、作者のなかに矛盾はないのでしょうか。