化け物の文化誌 国立科学博物館

 またお昼までには時間がありますね…と上野の国立科学博物館へ。展覧会で人混みに揉まれるのに戦々恐々としていたわりに、どちらも結構すいていてほっとしました。おむらさんがおっしゃるには、東京はたくさん展覧会があるから、そんなに混まないのではないかとのこと…羨ましい。
 しょっぱなから、天狗の爪とか、ミイラとか、人魚の肉(!)とかはらわた(!!)とか、もうギンコの蟲箱に入ってそうな怪しい品物がこれでもか、と並べられていて、テンションはあがる一方です。保存している箱とか包み紙とかもそのまま展示してあって、昔の人がどういうふうにこれらの品物を眺めていたかを伺うことができます。
 他にもプリニウス『博物誌』の和訳本や、藩主の集めた奇石の標本箱やセンザンコウの干したのや、化野先生の収蔵庫にありそうなものが目白押しです。江戸の旺盛な好奇心と、不自由や不便さから生み出された想像力に驚きっぱなしでした。
 友情出品で岡野玲子さんの『陰陽師』の原画が飾られていましたが、どう考えてもこの展示にふさわしいのは『蟲師』だったと思います。
 とにかくヘンなものがいっぱいあって、目に楽しく、脳に刺激的な、素晴らしい展覧会でした。東京くんだりまで来た甲斐がありました。