平安京・平城京摩訶不思議の宴2006in京都 京都造形芸術大学春秋座

 パネラーのトークと、芸能を組み合わせた不思議なイベントでした。
 オープニングの映像がかっこいい!意欲あふれる若者が作ったサイケデリックな映像と音楽にまず度肝を抜かれました。地蔵や鳥居などの異界を感じさせる写真をサーモグラフィーのように処理した映像や、京都・奈良の寺社仏閣と日常風景をコラージュした映像など、わくわくするような予感を感じさせる作品でした。

 会場には関本教授による宇宙人とも妖怪ともつかない奇妙なオブジェが並べられ、その前にパネラーの人たちが陣取ります。司会の鎌田東二氏によるホラ貝の音でいよいよトークが始まります。この鎌田氏はそれからも、アイルランドで拾った石で作った石笛を吹いたりと、音による異世界の現出に関心が深いようでした。この笛の音が非常に耳に残りました。

 各パネラーともスクリーンに持ち寄った映像を映しながら解説を加えるのですが、民俗学者であり写真家でもある内藤正敏氏が、執拗に「ピントを合わせてください、ピントを、ピントを〜」繰り返していたのには芸術家の執念を感じて、これが一番怖かった(笑)。

 会場に「新耳袋」の中山市朗氏が来ているな、と思ったら、飛び入りで舞台に上がり、「ぬっとでる」妖怪の話をしてくれたのは、もうけものでした。