プラネット・キッドで待ってて

プラネット・キッドで待ってて (世界傑作童話シリーズ)

プラネット・キッドで待ってて (世界傑作童話シリーズ)

 1950年〜1960年代のアメリカを舞台に、夏の間の少女たちの友情を描いた物語。主人公のドーンは、野球の投手になるのが夢の12才の女の子で、母親の手術のため、叔父夫婦の住む田舎で過ごしている。隣家のシャーロットとともに、近所の男の子をからかったり、秘密基地を作ったりと伸びやかな夏休みを過ごしていた。しかし、やがてシャーロットの父親の家庭内暴力が、ふたりの間に影を落とし始める。
 豊かな自然の中での少女らしい遊びや周囲の人々との関わりなどが、丁寧に描かれていて、特別起伏のあるストーリーではないが、読ませる。家族に暴力をふるう隣人への関わりも、リアリティがあってうそくさくなってないところがいい。