オババの森の木登り探偵

オババの森の木登り探偵

オババの森の木登り探偵

 子どものころ忍び込んではオババに怒られていた森で、管理人をすることになった主人公。脱サラして、ついでに探偵という名の何でも屋を始めた彼は、人々の暮らしのささやかな問題に手を貸していく。
 うっそうと茂るオババの森に吹く風や、主人公が住んでいるツリーハウスの高さにわくわくする。
 最初は連作短編ミステリー風だったのだが、後半は開発にさらされるオババの森をいかにして残していくか…と展開していく。ありきたりといえばありきたりだけど、主人公たちがどういう知恵を絞るのか、はらはらしながらページをめくる手が止まらなかった。隠れた主人公、オババのキャラクターがいい。