空中飲茶飯店下

空中飲茶飯店 下 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
 ファンタジーの世界には果てがないんだなあ、と感嘆した豊かな世界観。京都議定書とか大気汚染などの現代の環境問題を元にここまで想像を広げてひとつの世界を作り上げることができるとは。ファンタジーに不可欠な「名付け(ネーミング)」のセンスも素晴らしい。茶運師とかいて「サウジ」と読ませるとか、日本でファンタジーが読めてよかったなあ、と思える瞬間です。できれば、後もう5話くらい読んでいたかったです。最後のまとめが少しあわただしかったように思えるのですが、出版社が変わったことが影響しているのだったら残念…。もっとじっくり「来客」たちの活躍が見たかったな。かまたきみこさんは、端役の村娘でも人物造詣が生き生きしているので、だれが物語にかかわってくるのか、読んでいて気が抜けません。最後の芳蘭のチーバン姿はかっこよかったっ。