電脳コイル 全26話

未視聴回:なし(1話から5話までの一挙放送から視聴開始)
評価:A+(A.好き B.まあまあ C.つまんない ±.脚本、作画、キャラクター等、作品全体の出来)
原作:なし
OP・ED
OP「プリズム」歌詞を全部覚えてしまった。耳に心地よい、でもどこか胸が苦しくなるようなすんだ歌声に毎週魅せられた。この番組は、オープニング、エンディングをとばして見るってことはなかった。全部まるごとこの電脳コイルの世界にはいるために大切だったから。もう好きすぎるんですが、CDまだ出ないのですかっ!
ED「空の欠片」せ、切ねえ〜。ゆっくりと歩くテンポで歌われるどこか懐かしいメロディー。最終回を見てから「道は続いてる つながっている」を聞くともう胸がいっぱいになってしまいます。どこかのサイトで、デンスケが一度画面から消えてまた現れるのは意味がある、と考察してあったのは今ながらすごすぎた。
好きな回
第8話「夏祭り、そして果たし合い」ヤサコとハラケン、フミエとダイチ、そしてイサコと大黒黒客のメンバーとのカップリングできゃあきゃあした回。ベタでもいい、浴衣いい…。
第13話「最後の首長竜」第11話から13話のいろいろなイリーガルが現れるところ、息抜きとみえて、それぞれが独立したSFガジェットてんこ盛りの面白すぎるエピソードでこれが電脳コイルなんだよなあ、と全部見終わった今でもそう思えます。とくに最後の首長竜はベタでも泣けた。現実的なことばかりいってるフミエが悪態つきながらボロボロ泣いてるのにぐっと来ました。
第19話「黒い訪問者」「ちょーだい、ちょーだい」は、薦めてくれた先輩との間でちょっとした流行語に。夢に出てきそうなヌルがこわすぎました。子どもたちの心に、忘れがたいトラウマを残してください。
第24話「メガネを捨てる子どもたち」い、イサコ〜! もう猫目、こいつどうにかなってしまえ、と本気でテレビの前で腹を立ててました。そしてなによりさいっこーに良かったダイチの背負い投げ! ヘタレ描写だった前回の伏線がここでつながるところとか、脚本がうますぎる。
第26話「ヤサコとイサコ」最終回。前回少しはしょりすぎじゃない? という不安を吹っ飛ばすくらいのクライマックス。ものすごい緊張感と、ちょっとはさまれるユーモア(「やはりその手か」とか「死んだんだよ、ポックリ」とか)でとても30分とは思えない充実した長さでした。そして、最後に、「はつこい」って、ちょ、ヤサケンキター!ともんどりうって喜びました。もうこのふたり好き。もちろんヤサコとイサコの女の子同士の繋がりにもじたばたしましたが。ちょっと大人になった京子の表情もよかった。
補足(どの回だったか忘れたけれど…)
・Qちゃんとあの四角いやつとの空中戦のあまりの動きの良さに燃えた。
・サッチーがヤサコとハラケンを包み込んで守ってくれる流れがゾクゾク来た。
・ダイチが京子になつかれるのはイイと思う。
コメント
 後半は、猫目のワラ人形に五寸釘を乱打しながら見てました。最後は、警察に捕まるか、大黒黒客のメンバーにぎゃふんと言わせられることを期待してたのですが…あ、そか。つまり、大黒黒客のメンバーが猫目を捕まえて警察に引き渡す、とそういう展開でよし。
 ヤサコのキャラクターの掘り下げに、マユミとのエピソードを一話分くらい使ってやって欲しかったですが、ヒゲ騒動とか、首長竜とかのエピも大好きで、いらなかったとは言えないので、もう28話くらいあってもよかったんじゃね、と思っています。残念だったのはこのくらいかな。もうあとはお腹いっぱいになりました。
 なによりも、毎週土曜日が待ち遠しくてドキドキ、という感覚が楽しくて仕方がありませんでした。月刊の連載マンガを待つのとは、一週間って少し違う時間感覚なんですねー。週刊漫画をあまり追いかけたことがないので、すごく新鮮でした。もともと続きがわからないという自分でコントロールできない状態があまり好きではなくて、読み切り短編とか、小説でも1冊完結とかばかり読んでいるのですが、「わからない」から自分でいろいろ考えて…続きを見てびっくりしたりという心の動きが、これほど面白いとは。「蟲師」も「おお振り」も面白かったし、すごく好きだけど、続きやラストが気になってやきもきしたりする余裕のなさはなかったので、こういうのも面白いなあ、と今更ながら思ったり。もちろん、脚本がしっかりしていればこそですが、この作品に出会えたこと、紹介してくれた人がいたことに感謝。
イサコは、大事な人がたった一人いればよくて、だからあれだけ強かったんだね。そのたった一人大切だったお兄ちゃんに結ばれた髪の毛がほどけて、痛みのする方向へ走っていく、そのなびく髪を見たときに、このアニメは伝説になった、と思いました。「わたしはいつまでも他人といては…」と自分の弱さを自覚して、自立してやっていこうとするラストは、ほんとよかった。また迷うかもしれないという弱さを抱えていても、その痛みを感じながら生きていくんだね…。
 実をいうと見終わった今でも、全部が理解できたわけじゃないので、この最終回をふまえて、来週からまた、じっくり見直します! ありがとうNHK、ありがとう番組スタッフ。どきどきして、笑えて、泣けて、胸が熱くなるような物語を、ほんとうに、ありがとうございました。