百物語第六夜

 「それって気のせいでは?」という程度のちょっと不思議な話も入っているので、本当に話者に怪談をしてもらっているような気分になれる。夏になると平山夢明『怖い本』と必ず一緒に出るから、つい比べられるようで、「もっと怖い怪談を厳選しろ、と読者からはお叱りを受ける」と書かれているけれども、私はこちらの怪談本を支持します。
 なんといっても、今回は「蟲」を見た人の話が入っているのが感動。鳥の形をした不思議な光り物を目撃した人曰く、「はまっている漫画に出てくる”蟲”という妖怪みたいなもの」だと思ったそうな。