夜は短し歩けよ乙女
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/29
- メディア: 単行本
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ご本人が帯に書いてある推薦文が的確にこの本の魅力を表しているので、書くことないなあ。おもしろかった!!
<春>パートの酔漢たちの狂乱のパレードは日本ファンタジーノベル大賞優秀賞『酒仙』のどんちゃん騒ぎを思い出し、冒頭から愉快でシアワセな気分になる。<夏>パートの古本まつりには学生時分に私も毎年通ったので、たいへん懐かしく、しかし7割は現実の京都を描いているから、残りの3割の幻想が不意に現れた時についうっかり本気にしてしまいそうで危険だ。なまじ土地勘があるから、著者の術中にまんまと嵌ってしまう…もちろん、それが楽しいのだが。土地勘がなければ、京都という土地そのものを幻想空間としてとらえることも可能で、そういう読み方もしてみたいなあ、と贅沢なことを考えてみたり。<秋>パートの学園祭は脇役の「君の名は」をじれじれしながら熱烈に応援してしまったし、<冬>パートに京都全域を巻き込んだすさまじい神の降臨には興奮した。そして、「太陽の塔」から一歩踏み出した主人公の開き直りっぷりに感無量…。
中村佑介氏がぴったりの装画を描いているのもポイント高いです。