第十六話「暁の蛇」

脚本 伊丹あき
絵コンテ 峰達也
演出 宮田亮
原作 『蟲師』5巻「暁の蛇(あかつきのへび)」p207〜
DVD 其之陸

蟲師 (5)  (アフタヌーンKC)

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 絵コンテは、文字も絵もザクザクした感じ。白いところも多いし…普通の絵コンテってこんなものかな。
 台詞は今回も原作を忠実に拾っています。手書きの文字までしっかりと取っていて、私の密かに好きな台詞「くうだけくっていきおって」もばっちり。あ、でもひとつだけ、入っていない台詞があったな。カジの家にお邪魔したカニの「きゃー」という悲鳴が(笑)。
 この絵コンテさんは、自分の解釈を積極的に書き込んでいるのが珍しい。さよの広げる着物に「だんなに買ってもらった?とか?」とか、対処法はないというギンコに「蟲師としての力不足を感じている」とか、さよが夫を探しに行くと言ったときに「のんびり言ってるバアイかよ!!ずっと前からあんたの夫は…」とか、感情の起伏の大きな人みたい。最後のやつはバッテンつけて消されてますが(笑)。
 さて、絵コンテにギンコの持っている巻物に影魂のことが書かれているシーンが出てきます。テレビアニメ版にもDVD版にもなくて、原作にも該当の巻物は出てこないんですが、どっかで見たことがあるような気が…どこだっけ…?
 私もあまり記憶力のいい方ではないので、まあ、根本的に症状は違いますが、けっこう身につまされる話でした。
 さよが着物を売ろうとしているのは、夫が帰ってこなくなって生活が苦しくなったからでしょうね。夫を見つけてから、言いたいことを飲み込んで黙々と歩き続けたさよの心中を思うとやりきれないです。茶屋を始めて、カジの稼ぎと会わせたら、少しは楽になったのでしょうか。