えんの松原
- 作者: 伊藤遊,太田大八
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2001/05/01
- メディア: 単行本
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主軸の物語ももちろんいいけれど、大枠に関係なくほんの少し触れられる小さなエピソードも光っている。伴内侍がむかしすごい美人だったとか、綾若が狐に恋しちゃうとか、監が下敷きになった男にかけた言葉とか。
手にとったきっかけは男女の異装があるってことだったのだけど、「とりかえばや物語」みたいに、内面のジェンダーにまで深く関わっているようには感じなかった。主人公の音羽が女の子の姿をしている理由がはっきりしていて、本人の気の持ちようがまるっきり少年だからだろうなあ。憲平の内面にもっと踏み込んで記述があればまた違ったのだろうけど。
伴内侍が超かっこういい婆さまでした。