第十四話「籠のなか」
脚本 山田由香
絵コンテ 成田歳法
演出 よこた和
原作 『蟲師』4巻「籠のなか(かごのなか)」p139〜
DVD 其之伍
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誰も、悪くないのに…。キスケはもちろん、セツも、踏み込んでしまったギンコも、里の人たちだって悪くはないのに。セツたちを忌み嫌った里の人たちは、狭量なようにも見えるけれども、異形のモノを受け入れがたい気持ちは誰にも否定できないと思う。ギンコたち蟲師でさえ、セツたちのことは「「鬼」蠱」と呼ぶのだ。キスケ兄妹を大切に育て(キスケの人のよさを見れば、どれだけ大事にされたか分かろうというもの)、セツが竹林で一人ぼっちでいれば子供たちを遊びにやっていた事を見ても、いい人たちなんだと思う。キスケの妹だって「肩身の狭い思い」はしても、結婚して子供を作っているのだから、村で仲間はずれにされたというわけではなさそうだ。自分とことなる者を受け入れるには、ただ「いい人」であるだけでは不十分ということが、悲しい。
絵コンテと原作を比較してみると、台詞はほとんど原作をまんま使っているらしいです。ただ一箇所だけ、ギンコが竹の水が人に及ぼす影響を説明するところで「おまえは己(おれ)の一部だ 戻って来い ってな」という一文が抜けています。オンエア版でも復活していないところを見ると、意識して削ったようですね。どうしてだろう。
セツたちの手向けの花の種類まで季節ごとに咲いているのはこの花、と設定してあるのには驚きました。10月上旬から12月下旬ならサザンカ(花もつぼみもある)、11月中旬から2月下旬なら寒ツバキ(同様)、11月中旬から4月下旬ならツバキ(同様)、2月中旬から3月中旬なら雪ツバキなので、作中の季節に合わせていずれか、というように。ツバキの品種まで…! しかし、実際に生けられているのは、サザンカにもツバキにも見えません。キクかなあ。黄色い花です。
マガリダケが倒されたとき、枝が腕のように動いてはいずっていくところは、アニメ独特の表現でした。コミックスでは、ヘビのように這っていったように見えたのだけど、こちらの方が怖い!